「定期運送用操縦士の学科試験とは?」
「定期運送用操縦士の学科試験の中身って!」
「学科試験のCBT化とは?」
このような疑問を、お持ちではないですか。
この記事では定期運送用操縦士の学科試験関連について、以下の事項について解説していきます。
- 定期運送用操縦士を含む航空従事者の学科試験について
- 定期運送用操縦士の学科試験
- 試験のCBT化について!
この記事を読めば、定期運送用操縦士の学科試験等について理解できるでしょう。
ぜひ、最後までご覧ください。
定期運送用操縦士を含む航空従事者の学科試験について
航空従事者の学科試験について、2023年11月に大きな変革をむかえました。
定期運送用操縦士の学科試験も、同様になります。
学科試験のCBT化です。
学科試験は、航空業務に従事するにあたって必要な知識・能力を有しているかどうかを判定することを目的としています。
学科試験の合格点は100点満点中、70点以上です。
合格科目については、1年以内に受験する場合に免除になります。
CBT化について、他国では以前から行われてきました。
定期運送用操縦士をはじめ航空従事者の学科試験のCBT化により、試験結果がすぐに判明したり、色々な利点もあるようです。
定期運送用操縦士をはじめ、航空従事者の学科試験について詳細を見ていきましょう。
* アメリカFAAでの定期運送用操縦士(ATP航空従事者)の学科試験については、こちらも参考にしてください。
定期運送用操縦士の学科試験
定期運送用操縦士のライセンスを取得するには、学科試験と実地試験の両方の合格が必要となります。
航空法第29条(試験の実施)に、その旨記載されているのです。
受験の要件
定期運送用操縦士のパイロットライセンス受験に必要な飛行経験を満たすと同時に、学科試験に合格のうえ、実地試験を受験します。
定期運送用操縦士に必要な飛行経験は、定期運送用操縦士(飛行機)の場合は以下の項目になるのです。
年齢21歳以上かつ飛行時間1500時間以上で、以下の要件を満たす者 ・100時間以上の野外飛行を含む250時間以上の機長としての飛行時間 ・200時間以上の野外飛行時間 ・100時間以上の夜間の飛行時間 ・75時間以上の計器飛行時間 |
それぞれ受験する資格により、飛行要件が異なります。
航空従事者の学科試験がCBT化されましたが、定期運送用操縦士の試験科目は以前と変わらず、免除科目も含めると全部で5科目です。
CBT化になり、定期運送用操縦士の学科試験の科目(免除科目を含む)と受験時間等は以下のようになります。
試験科目 | 試験番号 | 時間 | 料金(税込み) |
工学 P6 | PL0-P06J | 40分 | 2,420円 |
航法 P1 | PL0-P01J | 40分 | 2,420円 |
気象 P5 | PL0-P05J | 40分 | 2,420円 |
通信 P9 | PL0-P09J | 40分 | 2,420円 |
法規 P4 | PL0-P04J | 40分 | 2,420円 |
定期運送用操縦士の学科試験については、CBT化前の航法の科目は試験時間が120分でしたが、試験問題数が25問から20問に減少となり試験時間も40分になっているのです。
学科試験CBT化前に比べ、他の資格・科目も全般的に試験時間が短くなっているようです。
他の航空従事者資格試験のほとんどの試験時間が、40分になっています。
1番長い試験時間でも、操縦教育証明(教官)の80分です。
学科試験のCBT化について!
定期運送用操縦士を含め、航空従事者の学科試験は大きく変わりました。
航空従事者の学科試験CBT化は、2023年11月期から始まったのです。
CBTとは「Computer Based Testing」の略で、コンピューターを使用して行う試験になります。
ここでは、学科試験のCBT化について詳しく解説していきます。
学科試験受験の流れ
航空従事者の学科試験のCBT化は、始まったばかりです。
直近の令和6年3月期の定期運送用操縦士を含む、航空従事者の学科試験受験の流れを見てみましょう。
1.試験会場の予約と費用の支払い 2.航空局に受験申請(19号様式を使用)と費用の支払い 3.学科試験の受験 4.結果の受理 |
会場の予約
まず、CBT事業者の特設HPから会場の予約を行います。
予約期間は、2023年1月25日(木)から2月20日(火)までの間です。
CBT事業者の特設HPについては以下を参考にしてください。
受験申請
次に、受験申請です。
受験申請は19号様式を用いて、東京航空局保安部運航課検査乗員係もしくは大阪航空局保安部運航課検査乗員係に申請を行います。
申請期間は、2月9日(金)から2月20日(火)までの間です。
ここでCBT化受験には、注意する点があります。
航空局への受験申請をせずに、CBT事業者でのみ会場(受験科目)の予約を行った場合はCBT事業者で試験を受ける事は出来ますが、正式な学科試験とはならないのです。
試験の点数が合格点以上になっても「学科試験結果通知書」等は送付されず、正式な学科試験とは認められません。
二重の手間になりますが、必ず申請期間内に航空局への19号様式による受験申請が必要なのです。
受験申請はなるべく早めに実施して、申請書類に不備のないようにしましょう。
受験
予定した日時・会場にて、航空従事者の学科試験を受験します。
試験当日の受付は、30分前から15分前までです。
学科試験受験時の持ち物として、運転免許証やマイナンバーなどの本人確認書類が必要になります。
結果の受理
CBT化では、受験後合否の結果速報が分かります。
メールにて、試験結果の速報が送られて来るのです。
ただし、この結果は正式な結果ではありませんので注意が必要です。
正式な合否の結果は、航空局からの「学科試験結果通知書」を確認します。
CBT化のメリット・デメリット
定期運送用操縦士の学科試験もCBT化が始まりました。
メリット・デメリットはどうなっているのでしょうか。
定期運送用操縦士も含め、学科試験CBT化のメリット・デメリットについて以下に解説します。
メリット項目
受験日・受験場所の選択幅の拡大 | 今までの航空従事者の学科試験は、奇数月の各期・最大2日間の間に全国8つの会場で試験が行われてきました。 CBT化により受験者が年6回の各期、試験期間10日間の間で日時選択できたり、全国各地(約140)の会場から試験会場を選択できます。 会場の開催状況はこちら |
複数資格の受験が可能 | 同一試験期に、複数の資格の受験が可能です。 |
試験終了後に合否が分かる | 試験終了後に、合否の速報が分かります。 しかし、この結果は正式な結果ではありませんので注意してください。 |
デメリット項目
申請要領の変更 | CBT化前は、航空局に申請書を提出するだけでした。 CBT化後は、航空局への受験申請とCBT事業者へ試験会場の申請が必要です。 会場予約は、以下のアドレスから行います。https://www.e-coms.co.jp/koku |
CBT化されない資格・科目がある | 航空従事者の資格・科目によってはCBT化されていないものもあるので、最新の情報を確認する必要があります。 CBT化されていない資格・科目については、指定した日時に年2回本省(東京)で試験が実施されます。 |
受験料の増加 | CBT化前の学科試験の受験料は5,600円のみでしたが、CBT化後はCBT事業者分としては、1科目2,420円が加算になります。 例として定期運送用操縦士の全科目受験時は、国土交通省分として5,600円とCBT事業者分として12,100円(5科目)の計17700円が必要です。 |
定期運送用操縦士のCBT化が始まりましたが、航空従事者の資格・一部の科目ではCBT化されていないものもありますので注意が必要です。
最新の国土交通省のホームページで確認する必要があります。
令和5年度の航空従事者の学科試験に関する情報を見ると定期運送用操縦士(飛行船)も含め、CBT化されていない資格・科目は以下のようになっているのです。
・2024年3月期のCBT化されていない資格・科目 定期運送用操縦士(飛行船) 事業用操縦士(滑空機)(外切において法規を英文受験する場合に限る) 事業用操縦士(飛行船) 自家用操縦士(滑空機)(外切において法規を英文受験する場合に限る) 自家用操縦士(飛行船) 一等・二等航空士航空機関士操縦教育証明(外切において操縦教育一般を英文受験する場合に限る)運航管理者(外切において法規を英文受験する場合に限る) 一等航空整備士(飛行機、回転翼航空機)(機体、タービン発動機、電子装備品を英文受験する場合に限る) 二等航空整備士(飛行船) 二等航空運航整備士(飛行船) 航空工場整備士(ピストン発動機関係・プロペラ関係) |
定期運送用操縦士(飛行船)の航空従事者学科試験は、CBT化されていないのです。
その他CBT化での変更事項
CBT化では、試験実施回数・試験会場の増加・試験の申請方法が変わりました。
またさらに変更になった点として、試験時間の変更も行われたのです。
1部の科目をのぞいて試験時間は、1科目40分となります。
定期運送用操縦士の全科目も、1科目40分です。
参考リンク先について
CBT化に伴い最新学科試験情報の確認・試験会場の予約等々煩雑になった部分も出てきました。
下記に最新情報確認のため、リンク集を紹介します。
定期運送用操縦士も含め、航空従事者の学科試験のCBT化については始まったばかりです。
変更になる事項もあるので、最新情報の確認が必要になります。
定期運送用操縦士の学科試験・CBT化のまとめ
定期運送用操縦士の航空従事者ライセンスを取得するには、学科試験と実地試験の両方の合格が必要です。
定期運送用操縦士も含め、航空従事者の学科試験は2023年11月期の試験から大きく変わりCBT化になりました。
試験の申請方法の変更など煩雑な面もありますが、試験回数・試験場所の増加など利点もあります。
試験の申請方法については、CBT受験場所の予約と航空局への受験申請の両方が必須です。
定期運送用操縦士を含む航空従事者の学科試験CBT化は、スタートしたばかりです。
まだまだ変更される可能性もありますので、注意が必要です。
国土交通省のホームページなどで、最新の情報を確認しましょう。
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